✩きもの秘伝กลกิโมโน 2015年4月16日スタート

星の皇子(鶴の神)
星の皇子(鶴の神)

主演:バード トンチャイ メーキンタイ(黄金の鶴の神;星の皇子)

星の皇子ー眉目秀麗な男性。彼に会う人達に畏れられる見た目とは裏腹に明るく陽気な性格で、 彼と接する誰もが幸福な気持ちになる。思慮深く 人生の摂理を理解しているので誰の行動も批評することはしない。そして常な他人に対して慈悲深いので何百年に渡って宮川一族から愛され尊敬されている。

実際のところ、彼は天からやって来た黄金の鶴の神なのだ。

何百年前に、人間に祝福を与えるため天から人間界へ降りて来たのが、ある事件が起こり天に戻れなくなってしまい、愛する7月の星の女神と離別せねばならなくなってしまった。そのため、明るさの下に悲しみを隠しているのだった。彼はその悲しみを隠し、自身の才能である歌声を使って、谷に住む人々が幸福感に満ちるよう癒している。そして願わくは、彼の歌声が遠い天にいる愛する女性に届くように・・と。

しかし、ある時、彼は彼女に出会った・・何百年と待ち焦がれた女性に・・。

その人間の女性が彼を天に帰してくれる人だとわかった。

そして彼は この先も彼女と共にここにいることと、彼に劣らず彼女を愛する若い男に彼女を託すことの、どちらかを選ぶのだった。

「月の村」という場所で 激しい雪嵐が起こった。

それは普通の自然災害で起こったのではなく、雪女と言う妖怪の仕業だった。

星の皇子(鶴の神)が雪女の愛を受け入れなかったことへの雪女の復讐であった。

雪女は 星の皇子に、彼の愛する月の村の人々がどうなるかを見せてやりたかった。

星の皇子はその雪女と戦い 村の人々を無事に救えたが、その戦いで星の皇子の着物は破れ、天に戻ることができなくなってしまい 人間界に留まらなければならなくなり、天で愛しあっていた 明星皇子と離れ離れとなってしまった。

彼は彼女を恋しく想い続け、彼女も同じように彼を想っていてくれているだろうと信じるしかなかった。

星の皇子はいつか愛する女性と再会できるという自信はあった。

それがたとえ、どれだけ長く待たなければならなくとも・・と。

 

そうして400年が過ぎた・・。

 

リンダラーは美しいタイの女性で、奨学金で日本で理学療法の大学に通っているが、進学のための奨学金を大学から打ち切られ、困窮していた。

原因は、彼女がこっそり実験用の動物を盗み、逃がしてしまったからだ。

リンダラーには、実験用の動物を盗んだ理由を話すことはできなかった。

何故なら、彼女は動物達と話ができる特別な能力を子供の頃から持ってたため、彼女は 体にできた傷を治して欲しいとくり返し頼む動物達の声が聞こえたのだ。

リンダラーはスリンとドウアンダーオという名前の両親が、彼女が子供の頃に警告したように、それらの動物たちの声を無視しようとした。

しかし、どんなにそうしようとしても、彼女の背中の星の絵の痣の痛みを感じるだけだった。まるで「何か」がこの特別な能力を無視し続けられない、まるで運命づけられたこととリンダラーに知らせているようだった。

彼女もこれは偶然ではなく、特別な能力と背中の星の痣は彼女にその答えを探すのを待っている何かであるはずと確信した。

 

動物の声を無視しなかった結果、リンダラーは翌年の授業料のためにアルバイトを探しに奔走しなければならなくなった。

誰にも迷惑をかけず、自分で何でもできるために最後に彼女が見つけた、いい報酬の仕事は遊園地でお姫様に扮する仕事だった。

 

リンダラーが来園者のために働いていたとき、車椅子の障害者のある少女が、連れの女性を口説きながら歩くハンサムな彼女の叔父のせいで迷子になってしまい、そしてその少女は池に向かっているようだ、と木の上の鳥が話しているのが聞こえた。

リンダラーは車椅子が池に落ちるところだった少女を寸前のところで救い、宮川あゆみという名前のびっくりして泣きじゃくる少女を抱きしめ慰めた。

少女の保護者である宮川あきらとシンエバ リエは、その出来事を知らなかった。

リエはリンダラーが「宮川」家と対立する「リョウイチ」家の一味で、あゆみを連れ去るため送られたのだろうと責めた。

リンダラーは我慢できず、リエの言葉がでないほど言い返した。

しかし、誰にも負けたことがないリエのような人間は、リンダラーが解雇されるよう始末した。

リンダラーはもうあのリエという女とアキラには二度と会いたくはない、と思った。

 

リンダラーは再び厳しい状況に置かれたが、月の村で彼女に障害者の少女の世話をする仕事をしてもらいたいという人間が大学の教授を通して連絡をしてきたことで運が向いてきたように思えた。

その村は リンダラーが子供の頃から行ってみたいと夢みていた美しい神話の中の村だった。

そしてその月の村こそが リンダラーが奨学金で日本に留学をしたいと思わせたのだ。

しかしこれまでリンダラーは勉強に忙しく、お金を節約しなければならなかったため 未だかつて一度も月の村へ行ったことはなかった。

リンダラーは アキラが彼女に連絡を取ってきた人間だったと知るまでは そのことを大いに喜んでいた。

カッコつけた無愛想なその男は あの性格の悪いリエの恋人だった。

リンダラーは迷わず断ろうとした。しかし、リンダラーの気持ちが前もってわかっていたアキラは 姪の世話をしてもらいたいと思っている人間は彼ではなく、「別の者」だと急いで告げた。

リンダラーはアキラが決してこの義務を果たしに喜んで来たのではまるでないと見て取れた。

まさにそれはリンダラーが考えた通りだった。

アキラがリンダラーを自ら誘いに来たのは 彼が愛し敬う祖母のミキが宮川家にとっての恩人である重要人物のために彼に行くよう頼んだからだ。

アキラはリンダラーにその人物に会ってからこの仕事を受けるか受けないかを決めるよう頼んだ。

 

リンダラーはその人物が誰なのか知りたかったのでアキラと一緒に行くに同意した。

その目的地に着くとそこは藤のトンネルだった。

アキラはリンダラーに一人で入るよう言った。

そして美しい藤のトンネルとそして昼間であっても輝く星の中に立っているその若い男性の姿、彼こそ「星の皇子」だった。

その男性は微笑みをたたえいるが その瞳は悲哀に満ちていた。

たとえわずかしか言葉を発しなくてもその声はリンダラーを魔法にかけ、

彼女は宮川の邸宅で働くのを即了承した。

今回、月の村に来たことが彼女が今までずっと待っていた答に出会うのだというのを気づくかぬままに・・。

 

場所は同じく 宮川一族の宿敵である小塚一族は先祖代々伝わる書に ダイスケが70歳になった時、一人の女がリョウイチ一族に災害をもたらしにやってくるという占いを見て怒り狂っていた。

 

小塚一族は月の谷で一番大きな農作物の地主で 稲荷神社を祀る一族だ。

一方、黄金の鶴の神は宮川一族によって祀られている健康長寿の神である。

この二つの一族は それぞれの神の信仰により ずっと反目し合っている。

小塚一族は 鶴の神が彼らの信仰する狐の神の消滅の原因だと誤解していて、また 鶴の神がまだ天に戻れないでいると信じている。

しかし 誰も 今、鶴の神がこの地上のどこにいるのかは知らないので

小塚一族の皆、鶴の神が天に戻るのを妨害する使命を帯びている。

そうしなければ 小塚一族に禍が起きるからだ。

 

ダイスケの息子の25歳になるヒデノリは宮川家の館にやってきた女が誰なのかを探る任務につき、 彼が飼っている髪を一つに束ね青色の浴衣を着た男の子のお化けであるヒトシを宮川家に差し向け リンダラーが宮川家に着いた初日の夜からお化けに騙されるよう仕向けた。

しかし、星の皇子の助けにより リンダラーはその危険を免れた。

また 星の皇子は リンダラーが全ての危険から守られるよう日本のお守りのようなものである鶴の絵柄の背守を彼女に与えたので ヒトシは彼女に近づくことはできなかった。

 

一方 リンダラーは幼い少女のアユミの筋肉緩和を施す世話をしたが少女は痛みで震えるほど泣いた。

アキラはそれを見て 直ちにやめるよう制止した。

リンダラーは何故アユミの症状が改善しないのか、それは少女が過保護にされ過ぎているからだと理解した。

それにより彼女の筋肉は通常あるべきものより力を発揮できないのだ。

リンダラーは少女の世話係として 彼女の生活プログラム全てを仕切るようにした。

アキラは祖母のミキの命令により リンダラーに仕方なく従わざるを得なくなった。

アキラは 何故 祖母がリンダラーを特別な人間にするのか、

星の皇子にしても ずっと馴染みの者に対するようにリンダラーに優しい眼差しを向けるのか 不思議であった。

アキラはこの二つのことについての記録を必死で探したが 何の情報も得られず ますます謎を深めていった。

しかし、もっとも不思議なのは 星の皇子について、彼が誰でどこから来たのかの情報がひとつも見当たらないことだ。

 

ある日、リンダラーは 世間をアユミを見せるため そして再び歩きたくなる気持ちにさせるため町へ連れて行った。

ふたりはタイマッサージ店のオーナーのペンラムとキィヨに出会った。

リンダラーはタイ人と近づきになれて安心でき 嬉しかった。

しかし その帰り リンダラーは狐に襲われ 彼女の服は少し破けてしまったが 幸運にもアキラと星の皇子に助けられ大事には至らなかった。

 

が、星の皇子を驚かせたのは、リンダラーの背中にある星の絵のあざだった。

星の皇子は彼の考えが当たってたと確信した。

リンダラーこそ 明星が 彼女に星の着物を完成させ 天に戻させるために送った明星の化身なのだ。

しかし 今はまだ リンダラーは自分が誰なのかを覚えていなかった。

 

星とミキは リンダラーが記憶を戻せるようにした。

ミキは 星の着物がリンダラーに 彼女自身が明星の一部であると思い出させるよう ミキの立ち入り禁止地域にリンダラーを上がらせる計画を立てた。

しかし、星の着物を目の当たりにしたとき、リンダラーの背中のあざが激しく痛み、彼女は気絶してしまった。

星の皇子は 今はまだリンダラーのような人間の体は 純粋な神の力を受け止めることはできない、彼女自身による体の準備を待つしかないと わかっていた。

星の皇子は 今はただ リンダラー自身が自分が誰なのかを思い出すのをじっと待つしかなかった。

ミキは 全て遅すぎたとならないよう その日が早く来るのを願った。

 

一方ヒデノリのところでは、ある朝目覚めた時、自身が血まみれの状態になっているのに気がついた。

体は泥で汚れまくりになっており、ヒデノリは何が起こったのか覚えていなかったが ダイスケは それを見て 孫息子に何が起こったのか理解した。

つまり ヒデノリの体の中に潜む狐の物の怪の血が表面に現れだしたのがわかったのである。

リンダラーを村で襲った狐、それこそヒデノリだったのである。

事実、ヒデノリは人間と動物の間の子であった。

ヒデノリは 彼の父親が美しい女性に化けた狐の物の怪と愛し合ったことで誕生した。

ヒデノリの父親が愛する妻とともに狐の群れと暮らすため森の中へ行く前に

息子をダイスケの元に託したのだ。

ダイスケはこのことは永遠の秘密として、孫自身にさえも告げようとは思ったことはなかった。

しかし ヒデノリの体に潜む狐の物の怪の血が人間の血よりも力を持ち出してしまったため、ダイスケはヒデノリの背中に護符の祈祷を施し ヒデノリに自身の制御の元に狐の物の怪を抑えるよう諭した。

 

ヒデノリが自分が何者かを受け入れるまで 彼はヒトシに暴挙を何度も振るっていた。

ヒトシは怖がってダイスケの部屋に逃げ込んで隠れていた。

そこで彼は髪が長く肌が青白く赤い口をしたお雛様を落として割ってしまい、何百年とダイスケの一族により監禁されていた雪女の魂を誰も知らないうちにうっかり解放してしまった。

雪女は肉体を持たなかったので リエの父親であるシンエバ マコトの愛人の美しい芸者・ユキの肉体に取りついた。

 

これまで マコトは彼女に身を引けなくさせるほど期待させてきたので

彼女は彼との結婚を迫るようになった。

マコトは極度に煩わしくなり彼女を殺すよう命じた。

ユキは 雪女がかつて感じたように愛情と恨みとともに生涯を終えなければならなかった。

それこそ雪女がユキに取り付ける隙となったのだ。

そしてユキの体に住む雪女はマコトのもとへ彼の使用人達の煩悩を残らず吸い取られた死体とともに戻って来た。

極度の恐怖によりマコトは 雪女が今どこにいるのかわからない、いまだに彼女が心から愛する者を探すのを手伝う下僕となるのを受け入れるしかなかった。

 

そして ユキは七夕祭にいる星の皇子と出会えた。

彼女は彼のもとへ訪ねて行きたかったが 彼女の力はまだそれには少なすぎた。

しかしながらユキは 彼がまだ月の村に住み、宮川家と一緒にいることが少なくともしれて嬉しかった。

ユキは彼がかつて彼女を愛さなかった原因は 彼女が恐ろしく醜い妖怪だったからで、しかし今は 彼女は美しい女性の体の中にいるので 星の皇子は彼女を愛せるだろうと考えた。

それでユキはリエにミキとアキラを ユキがミキに着物を織ってもらいたいと称して家に連れてくるよう命じた。

その機会に 星の皇子に最も近いミキがユキの思惑に従うよう呪文をかけた。

それ以来、ミキはユキの話ばかりを持ち出しては星の皇子に聞かせ さらにユキに会うよう頼んだ。

星の皇子は藤の花でできたトンネルで会う約束のとおり、ユキと会った。

何故ならそれはユキがわざと自分を 星の皇子が愛する明星に似せるためにしたことだ。

しかし、星の皇子は少したりともユキに心を動かしたようではなかった。

それどころか彼はユキはもしかしたら人間ではないかもしれないという疑いを持った。

それで星の皇子はユキを物の怪が入れない神社へと誘った。

ユキは危うく本性を星の皇子に見られそうになったが なんとかその場をしのいだ。

 

リンダラーの誕生日と同じである七夕の日の祭で、何故これまでは毎年の誕生日に痛む星のアザが痛まないのか不思議に思っていた。

リンダラーは星の皇子を不思議なほどに信用していたのでこの星の絵のあざのことを彼に話した。

星の皇子はリンダラーが月の村にいるのに満足しているからだとリンダラーが考えるよう意味を含んで話した。

リンダラーは星の皇子が話したことをよく理解はできなかったが きっと何かがあるのだと確信した。

リンダラーはその答えを探す努力をしたが 探せば探すほど 星の皇子のことを知って彼について不思議になるばかりだった。

 

一方ヒデノリは物の怪に命じ リンダラーを殺すよう図ったが リンダラーが背守を持っていたのでうまくいかなかった。

そこでヒデノリは彼女を始末するため彼女と知り合いになることにした。

しかしリンダラーと近づきになるにつれ ヒデノリはリンダラーの可憐さに惹かれるだけだった。それによってヒデノリはリンダラーを殺すのが忍びなくなってしまい、リンダラーを月の村から遠ざけることだけで十分だと考えるようになった。

 

リンダラーはペンラムの父親の50年前の写真を見た。

その写真には星の皇子と瓜二つの人物がいた。

そこでリンダラーはペンラムの父親に星の皇子を会わせることを画策した。

それにより 星の皇子が写真の中の人物であると知った。

しかし 星の皇子は全く変わっていないのである。

リンダラーは 宮川家の望楼に住む若い男性の噂こそ星の皇子についてだったと確信した。

 

ヒデノリ側ででは、ヒトシが宮川家のアユミと頻繁に遊んでいることを知った。

ヒデノリはヒトシを呼びつけ叱咤し雛人形の中に監禁した。

しかし たまたまアイが中に入り雛人形を落として割ってしまったことでヒトシはそこから抜け出し アユミのもとへ行き 星の皇子により保護された。

それよりヒデノリは星の皇子と会い、彼が普通の人ではないと知ることになる。

 

それと同時期、ダイスケは雪女が雛人形から抜け出したことを知った。

ダイスケは急いで呼び戻すための儀式を行ったが ユキという名の美しい女性の状態のまま戻せただけだった。

ダイスケは雪女をかつてのように拘留は出来たが ユキの体の中にいる雪女は

鶴の神が今どこにいるのか、そして彼女自身と 鶴の神によって滅ぼされた狐の神のために仕返しさせにいかせろと口走った。

それを知ったヒデノリは星の皇子は本当は神であると明かした。

それによりダイスケは全てが雪女の企みで、ユキの体にいる雪女はダイスケの力を騙し使って全て思い通りになった暁には ダイスケを真っ先に始末するつもりであるということを知らず 雪女を解放してしまった。

 

雪女はダイスケの援助を得、その力を取り戻した。

そしてユキの体の雪女は星の皇子に会いに宮川家の屋敷へ戻っていった。

しばらくいなくなっていたのは私用のためだと話した。

それで星の皇子はユキが人間ではないのではとまた疑うことはなかった。

しかし、それと当時にユキは星の皇子がリンダラーという名の女を特別に心配しているのが見て取れたので リンダラーに会うまで待つことにした。

リンダラーと会った時にはまだ彼女が明星の一部であるとユキとわからなかったが、リンダラーはそれはそれは美しく、リンダラーを見るときの星の皇子の優しい眼差しも相まって 嫉妬を覚えるのだった。

それでユキはリンダラーに何らかのことをしてやろうと決心した。

 

ユキの体の中の雪女はリンダラーを祟り殺した後、リンダラーの体に取り付こうとした。

しかし、それは容易くはなかった。

何故ならリンダラーの精神はユキのように恋愛で脆く崩れるものではなく

アキラや星の皇子がリンダラーを救いに来たからだ。

 

リンダラーは不可思議な力により 健康を害してしまった。

リンダラーを救うため 星の皇子は鶴の神に姿を戻す決心をする。

それは星の皇子は普通の人間ではなく 神話の通りの鶴の神であると明らかにした。

それだけでなく ミキはリンダラーを望楼に星の着物を見せに連れて登った。

リンダラーは着物の上の鶴の刺繍された絵に触っただけで頭の中に彼女が明星の一部であるという記憶が蘇った。

リンダラーは彼女が星の皇子を天に返すために生まれ、それにより黄金の鶴の羽を探して星の着物を完成させなければならないのだという答えを得た。

しかしアキラはまだこのことについて全てを知ってはいなかった。

 

リンダラーはさっそく黄金の鶴の羽の情報を探す彼女自身の使命に取り掛かった。

ショーに使うため宮川家の着物をもらいにきた著名なアジアの服飾施設のオーナーであるハロルドに尋ねたが ハロルドは黄金の鶴の羽が実在すると聞いたことはなかった。

 しかしこの会話が耳に入ったリエがユキにこのことを話し、ユキはリンダラーは星の皇子を天に戻すため送られた明星の一部であると確信した。

ユキはダイスケとヒデノリにリンダラーが黄金の鶴の羽を見つけられないようにするよう命じた。

 

その頃、リンダラーはケンジという名前の、日本人とタイ人の間の子で同じ大学の動物医学科の学生である友達を訪ねていた。

ケンジはネス湖のネッシーやヒマラヤの雪男などのような伝説や神話などの中の特殊動物についての論文を書いていた。

リンダラーはケンジに黄金の鶴のことを尋ねたが ケンジは探すのは困難なもので100年に一度だけあるものだと話した。

リンダラーの星の皇子を助けようとする希望は儚すぎたが まるで天の思し召しのように ケンジが宮川の屋敷にリンダラーを訪ね、親戚でタイにいるアンという叔母が黄金の鶴の羽を持っていると告げた。

そして叔母のアンは喜んでその黄金の鶴の羽をリンダラーにあげるというのである。

アンはかつてある女性がやって来て その羽を貰いたいと言う夢を見たからなのだ。

そして いつかその人がやって来ると、そしてリンダラーはその人に違いないと信じたのだ。何故ならリンダラーの顔はその女性に瓜二つだったからだ。

リンダラーはこの話を アキラがこっそり聞いているのを知らず ミキと星の皇子に話して聞かせた。

アキラは全ての真実を知り、自分も星の皇子を天に返すための力になることにした。

 

ちょうどその頃 タイからリンダラーの父親が病気になったと知らせてきた。

リンダラーとアキラは 黄金の鶴の羽を求めケンジの叔母のアンを訪ねるのと当時にリンダラーの父親の治療のためにタイを訪れる決心をした。

しかし その時になって、アイが 本当はリンダラー達が黄金の鶴の羽を探しに行くとアイから聞いたヒデノリからの命であったのだが、タイに絹の糸を見に行くため一緒について行きたいと言ってきた。

実際、アイはヒデノリの密偵だったのだ。アイはヒデノリをとても愛していたので彼が彼女を騙して使っていることがわからなかった。

 

リンダラーとアキラは共にタイへ向かった。

そこでアキラはリンダラーの生活と人生を知ることができ リンダラーをさらに理解できた。それと同時にリンダラーも彼女の家族のみんなに対する優しさや気遣いを見ることができ、二人の心には 静かに愛情が芽生えていった。

しかし 二人はまだ他のことを考えるより 黄金の鶴の羽を求めることが第一であった。

 

その頃日本では、 ユキはミキを使って彼女を星の皇子に近づけさせるようにしていた。

そして星の皇子も ユキは自分が考えていたような「人間」では絶対ないと知った。

しかし 彼は真実を知っているとユキにはわからないように振舞った。

ユキの体の中にいる雪女に 自分の心の中の煩悩を減すよう諭してやりたかったからだ。

しかし それは効果がなさそうだった。何故なら 雪女の心は煩悩の塊だったらだである。

 

リンダラーとアキラがアンの家に着くや、アンは 自分がかつて黄金の鶴の羽を持っていたかさえ覚えていない認知症であるのがわかった。

本当のところ、アンがこうなったのは アイが秘密を伝える伝書鳩となることによりヒデノリが後をつけて呪いをかけたせいだった。
そのため リンダラーとアキラの行動の全ては ヒデノリの知るところだった。

しかし アイとヒデノリの知らないこと、それはリンダラーが動物たちと会話ができる能力だった。

リンダラーはアイの飼い猫から謎の人物がアイにこのような仕打ちをしたのだと聞いた。

そして 最も肝心なことは 飼い猫がアンがどこに鶴の羽をしまっているのかを知っていることだった。

しかし リンダラーはこの話を誰にも話さなかった。アキラにさえも。

何故ならその謎の人物がいったい誰なのかまだわからなかったからである。

リンダラーは 宮川の屋敷にアンの黄金の鶴の羽を持っていき、ミキと星の皇子を喜ばすまで話すのを待った。

 

しかし アキラはリンダラーが自分を信用しないので 鶴の羽が見つかったことを離さないのだといじけてしまった。

リンダラーはアキラに 自分たちの周りに裏切り者がいる疑いがあり まだアンから黄金の鶴の羽をもらう保証を得ていないからだと説明した。

それでアキラはリンダラーと一緒に その裏切り者を騙して尻尾を出すよう 黄金の鶴の羽がまだあると作り話をでっち上げる計画を立てた。

その計画は成功し、宮川家の全員が アイがリョウイチ家の密偵でずっとあったと知る。 

アイとアキラは激しく喧嘩をし アイは宮川の屋敷から逃げ ヒデノリと共にダイスケの屋敷に住むようになった。

 

アキラはこの事態に悲しみ そんな彼をリンダラーは慰めた。

そうした親密さが二人のそれぞれの心は互への愛情を持っていると気づかせたが それを口にすることはできなかった。

何故なら それぞれに 相手がどう思っているかわからなかったからだ。

そしてアキラは リンダラーが自分ではなく星の皇子のために生まれてきたのだとよくわかっていた。

 

そしてその頃、リンダラーは 母鳥とはぐれ 猫に捕まって食べられそうになっている小鳥の”姫”に出会った。

リンダラーは姫を助け 自分のもとで飼いよく世話をした。

 

一方、ユキにおいては 再び煩悩を食べるための餌を探してくるようマコトに命じた。

しかし 現在、警察が大勢の行方不明者事件の捜査が始まり マコトはそれができなかった。

ユキは怒り マコトの某脳を吸い取った。

それを見たリエは父親を必死に助けようとはしたが 助けられなかった。

マコトは自分がユキのために与えた全ての餌食と同じ状態で死んだ。

父親が食べられる光景によりリエは精神異常をきたし 恐怖とともに入院してしまう。

最初、ユキはリエも餌食にしようとしたが リエがこのような病気の状態で生きていることで リエに対するアキラの気遣いがリンダラーを苦しめ、そしてリンダラーが極度の愛に苦しめば その時こそ リンダラーに乗り移れる時だと感じたので リエをそのまま生かした。

しかし星の皇子はユキの企みにすぐに気がついたので たとえリンダラーとアキラが愛し合うのを見て自分が苦しんでも 2人が理解し合えるように尽くした。

 

ユキは アキラとリンダラーを誤解しあわせたかったので、ヒデノリにアユミを誘拐させた。

ヒデノリは再びこの仕事のため捕まえ戻したヒトシを使った。

ヒトシも アユミが彼を怖がったことに起こっていたのでその命令に従った。

ヒトシはまんまとアユミを騙して連れてこれた。

そしてユキはこれは全てリンダラーの不注意で引き起こされアユミがいなくなってしまったことにした。

しかし ユキの企み通りにはいかなかった。何故なら星の皇子がアキラにこのことは雪女による裏があってのことだからリンダラーを信じるようにと話したからだ。

それでアキラとリンダラーは誤解し合うことはなく、ともにアユミを探したがまだ見つけられずにいた。

 

星の皇子はアユミを解放する交渉のためユキに会いに行った。

しかし逆にユキはアユミを交渉の道具に使い、星の皇子が彼女を愛する機会を与えるように迫った。

が、星の皇子は ユキが真実の愛を知らずどうやって人を愛せるのかと拒絶し、ユキに復習した。

ユキはそれならば再び月の村を崩壊してやると脅した。

星の皇子はこの話を一人だけの心に収めるしかできなかった。

本当は、アユミはヒトシを嫌ったことなどなく、ただ彼が人間ではないと最初に知ったのに驚いただけだったと知り、好きな友達を助ける気持ちに戻った彼の助けでアユミを見つけることができるまでは、今は皆、いなくなったアユミを心配しているからだ。

そしてこの状況により アユミは再び歩けるようになった。

星の皇子はヒトシの思いやりへの報酬として彼を解放し生まれ変わらせてやった。

 

一方ユキはダイスケに手を組んで月の村を崩壊させるよう命じた。

しかし ダイスケの病は重く、それがまだできずにいた。

怒ったユキはダイスケに狐の神の消滅は鶴の神が原因ではなく 誰でもない彼女自身が原因で、小塚一族はずっと誤解していたという真実を話し、彼の中の煩悩を吸い取り殺した。

ダイスケの魂は鶴の神への懺悔の思いから ヒデノリを訪ねていき、何が起こったか話して聞かせた。

すべてを理解したヒデノリは雪女に怒り狂った。

ヒデノリは宮川一族との誤解を解き、アイを許してもらえるよう訪ね、そしてアキラもミキもアイを許した。

 

ユキは400年前のように月の村を崩壊させ、人々を滅ぼしてからリンダラーを殺してやろうとした。

アキラと星の皇子、そしてヒデノリは力を合わせリンダラーを救い、雪女を退治しようとしたが 雪女の力は強大で困難を極めた。

しかし 最後には 強い団結とリンダラーに対する愛により三人は雪女を退治することができた。

 

ダイスケの葬儀が終わり、ヒデノリは狐の群れと暮らすため森に帰っていった。

何故なら 今回の雪女との戦いで 彼は体の中の狐の物の怪の力を再び抑えられなくなってしまったからだ。

そしてまた 自分の中にある物の怪の力が人間に害を与えるのを恐れたからだった。

ヒデノリは小塚チ一族の全てと、心から愛するアイを捨てることを受け入れた。

アイは彼の子供を身篭っていると伝え ヒデノリを留まらせようとしたが 彼はいつか彼女と子供に会いに帰ってくると告げ 去っていくしかなかった。

 

今回の戦いで星の皇子も重症を負い、ただちに天に戻らなければならなくなった。

しかし 黄金の鶴の羽がないのでまだ帰れずにいた。

リンダラーは姫が黄金の鶴であるとわかったばかりではあったが 姫は着物を織るには子供過ぎた。皆、どこから星の着物を織る鶴の羽を持って来ればいいかわからなかった。

そんな時、姫の母鳥は姫を探しに飛んできて リンダラーの思いやりを知り 自分の金の羽を代わりに与え 星の着物を織るように勧め、そしてそれが完成した。

 

しかし、天に戻るため 星の皇子が星の着物を羽織る前に、星の皇子はリンダラーがまだ、星の皇子とアキラに対する気持ちで 心の中で悩んでいるのを知り、二人と待ち合わせをして藤の庭で理解を改めることにした。

そしてリンダラーとアキラは理解しあい、互への愛を告白した。

リエはもうこの先、アキラに対して自分の見込みがないとわかり 二人の愛に関わらないためにもフランスで生涯を送るため旅立って行った。

そして 星の皇子も幸せな気持ちで天へと帰っていった。

 

時が過ぎ、アキラがリンダラーを街の病院に妊娠検査のために連れて行った時、リンダラーはついさっきすれ違った男の子を振り返って見た。

その子は温かな親しみのある面顔で頭を下げ笑顔でアキラとリンダラーに二人に出会え嬉しそうに挨拶をした。

彼が人ごみに歩いて消える前に見たその顔と緑色の目がなんと星の皇子に似ていたことか・・。

 

 

                ー完ー

 

「 公式サイトあらすじ 」より

 

主な登場人物

リンダラー(光)(明星)
リンダラー(光)(明星)
アキラ
アキラ

リンダラー

25歳の色白で瞳の大きな、明るいタイ人女性。性格はプラス思考で、忍耐強く、負けん気が強い。理学療法を一生懸命真面目に学ぶ専門学生。

動物と会話ができるAnimal Whispererの特別な能力を持っている。

何故なら、彼女は明星すなわち7月の星の女神の一部だからだ。

黄金の鶴の羽を探し、星の着物を完成させ 星の皇子を天に帰す役目を担っている。

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宮川アキラ

宮川家の現在の後継者。一族の着物職事業を継承し、そして黄金の鶴の神の神社を護る責務を負っている25歳の若者。

性格は落ち着いて大人っぽく、背負っている責任で多少神経質。

しかし、リンダラーに出会い、彼女が彼の人生を明るく輝かせる人だとわかる。


ユキ (雪女)
ユキ (雪女)

ユキー20歳過ぎの芸者。性格は柔和で繊細。人を信じやすい。彼女はリエの父親であるマコトと恋に落ち、マコトを信じるあまり マコトに弄ばれているとは気付かなかった。その真実を知るに至った時には、マコトの部下に殺されてしまう。

そしてユキの体は妖怪雪女に乗り移られ 新しいユキとなり 恐ろしい力を持つ女に変貌してしまう。

 

妖怪雪女ー体を持たない怨霊。白い煙となって移動する。雪女は黄金の鶴の神に対する復讐心を持ちながら何百年と雛人形の中に封印されていた。そしてそこから解放され、そして人々を殺しそしてその人間の力を吸い取ることで本来の力を取り戻し黄金の鶴の髪を探すためユキという芸者の身体に乗り移る。

ヒデノリ(物の怪・狐)
ヒデノリ(物の怪・狐)
ミキ
ミキ

小塚 ヒデノリ(左)ー25歳のハンサムな若者でコウヅカ一族の中心人物。

ハンサムな若者の容貌の裏に大きな秘密を隠している。

それは彼は普通の人間ではなく 人間と狐の間に生まれ者なのだ。

彼の父親が若いメスの狐と恋に落ち誕生したのだが、父親は息子が狐の群れとともに成長するのを好まず、自分の父親であるダイスケに息子の世話を頼み、自分は妻と狐の群れとともに暮らさなければならなかった。

それによりヒデノリは自分の面倒を見てくれたダイスケを自分を捨てた両親とは違うと深く傾倒するのである。ヒデノリはダイスケにより 命とも言える狐の神を護るため宮川家の人々を憎むよう洗脳され そして幽霊たちを養う術を学ばされた。

そうしたことから彼は全てを一族を護るために行うのだった。

リンダラーを襲うことについても・・・しかし、美しいタイのこの女性は彼に正しきことと愛のいずれを選ぶべきなのかという迷いを芽生えさせる。

 

宮川ミキ(右)ー60代後半の几帳面なおばあさん。年をとっていても健康で見た目も良い。いつも着物を着ていて先祖代々受け継いだ着物を織る能力がある。彼女は誰よりも星の皇子をよく知っている。何故なら生まれた時から彼を見ているからだ。そして 彼がまるで年を取らないということも知っている。

ヒトシとアユミ
ヒトシとアユミ

アユミ(右:女の子)ーアキラの10歳になる姪っ子。アユミが小さな頃に自動車事故で亡くなったアキラの兄の娘。その事故でアユミの右足は障害を持ち、発育不全となり、いつも松葉杖を使わなければならなくなった。子供になる始めの頃はわがままだった。何故なら、祖母のミキの後を継いで着物を織る仕事を継がなければならない大事な一族の一員であるため皆に過保護にされてきたからだった。

しかし、リンダラーが歩行の訓練の世話をするようになってから アユミも自分の世話ができるようになり 明るい子供に変わっていった。

 

ヒトシ(左:男の子)ーヒデノリが敵を討つために養っている子供の妖怪。

年は8歳で 髪を一つに束ね 青の短い浴衣を着た肌の青白い男の子。

瞳の色は深い黒色で 身の毛もよだつ恐ろしい声で子守唄を歌うのが好き。

時々、人を騙しに行くのに普通の子供に化ける。

ヒデノリの命令でかつてアキラの兄を殺し、アユミを障害者にしたように、人を殺し餌食にするためだ。

しかし たとえヒトシは恐ろしい妖怪であっても子供である。寂しく一人でいるより友達が欲しいものだ。それで普通の子供になっているときにはこっそり抜け出しては頻繁にアユミのところを訪ねて行き、すっかり仲良しになり いつもアユミと遊んでいるので ヒデノリからしょっちゅう叱られている。